カンバーランド長老キリスト教会日本中会

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戦後70年にあたって ―平和を破壊する大転換の時に平和の道具とされることを求めて―

中会決議

戦後 70年にあたって
–平和を破壊する大転換の時に平和の道具とされることを求めて–

2015年11月23日
カンバーランド長老キリスト教会日本中会

私たちカンバーランド長老キリスト教会日本中会は、戦後70年にあたって、私たちの国がむさぼりの罪を犯してアジアの隣国を侵略し、植民地支配と15年にわたる戦争によって計り知れない惨禍をもたらした過去を思い起こし、悔い改めの思いを新たにしています。

私たちは戦後50年になってようやく、70年前までのこの国と教会の罪を言い表わし、悔い改めの実を結ぶことを決意して歩み直しました。その10年後には、私たちが「見張り」としての務めと「地の塩・世の光」としての責任を果たし、「平和を実現する者として」立ち上がる決意を改めて表明しました。

けれども、私たちは見張りの務めを十分に果たせたとは言えず、平和を実現する歩みは弱々しいものでした。私たちの国は、この10年の間も、「戦争ができる国づくり」をさらに推し進めてきました。2006年には教育基本法を改悪し、2007年には防衛庁を防衛省に昇格させ、憲法「改正」をにらんで国民投票法を成立させました。2012年には自民党が国防軍の設置や基本的人権の抑制などを盛り込んだ「憲法改正草案」を発表し、第二次安倍政権は「改正草案」を具現化させるべく、2013年には国家安全保障会議を設置し、特定秘密保護法を強行成立させ、安倍首相が靖国神社に参拝しました。2014年には武器禁輸三原則を撤廃して武器輸出を解禁し、そしてついに、憲法違反である集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、その具体化としての安全保障関連法を2015年9月に強行採決によって「成立」させました。さらに、武器輸出を促進するために防衛整備庁を発足させました。

こうした動きとともに、日の丸・君が代の強制を始めとして教育への干渉が強まり、マスコミへの圧力が強まっています。中国や韓国との関係が悪化する中、ヘイトスピーチの横行や、「嫌韓・反中」本の出版など、民族差別や排外主義が広がっています。

このように、日本が過去に犯した罪をふたたび繰り返さないという誓いの意味をも持つ日本国憲法が破壊されるような状況が進んでおり、私たちの国はいま、大転換の時にあります。

このような時代にあって、平和の主なるキリストを頭と仰ぐ私たちは、いまこそ平和を実現する者として歩むことを決意します。私たちは、敵をつくり、分断と対決に向かう政治に反対し、武力によって問題を解決しようとする道を拒否し、神が忌み嫌われる悪である戦争(「信仰告白」7.06)に断固反対します。私たちは、キリストがもたらしてくださった和解に生かされ、和解の使信と務めを託されている者として、「すべての人々、すべての階層、すべての人種、すべての国々の間に、和解と、愛と、正義が拡大されること」(「信仰告白6.32)を求めていきます。「戦後50年」の悔い改めによって香港中会との主にある和解をいただいた経験を持つ私たちは、さらにアジアの隣人との信頼関係を築くことに努めていきます。

また、私たちは、いのちの破壊と苦しみをもたらす戦争に反対するだけでなく、より積極的な平和を求めて、平和の福音を証しするとともに、「神が創造の業において、人々のために意図した基本的な人間の尊厳を否定する政治的、経済的、文化的、人種的抑圧状況に反対し抵抗し、変革を求めて」(「信仰告白」6.30)いきます。とりわけ、基地の集中など本土からの差別と抑圧の下にある沖縄の苦しみを受けとめて、沖縄の人々と連帯していきます。

さらに私たちは、神が造られた人間のいのちと基本的な人間の尊厳を大切にする者として、基本的人権を尊重し、武力によらない平和主義を掲げ、国民主権に立脚する日本国憲法を擁護し、立憲主義と憲法を破壊する動きに反対していきます。

私たちはこのように決意し、平和の主が私たちを平和の道具として用いてくださるように祈り求めます。

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