カンバーランド長老キリスト教会日本中会

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戦後80年にあたって――平和を造る奉仕への献身

戦後80年にあたって――平和を造る奉仕への献身

2025年11月24日 第98回定期中会会議
カンバーランド長老キリスト教会日本中会

 

「平和を造る人々は、幸いである その人たちは神の子と呼ばれる。」

マタイによる福音書5章9節

アジア太平洋戦争を含む十五年戦争の戦後80年という節目にあたり、私たちは再び、暴力の行使へと傾く人の罪を悔い改め、平和を造る奉仕に献身する決意を、神と人々の前で言い表します。
2022年11月、私たち日本中会は、世界各地で暴力が横行する現実に対して、「暴力によって思い通りにしようとする行為に反対します」という決議を行いました。しかし、それ以降、各地での事態は好転ではなく、悪化を続けています。パレスチナでは、イスラム組織ハマスのイスラエル攻撃への報復としてイスラエルが軍事侵攻を行い、国連人権理事会の調査委員会はイスラエルの行為がパレスチナ人へのジェノサイド(集団殺害)であると認定しました。今この時も、暴力によって多くの人たちが筆舌に尽くしがたい苦難のなかにあります。

日本の国会においては、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法が2015年に成立し、その後、多くの国民が憂慮した通り軍備増強が続き、2025年度防衛関連予算のGDP比は1.8%となりました。「南西シフト」を進める自衛隊は、与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島、馬毛島などへの駐屯地開設を進めつつあり、軍事的緊張が高まっています。また、沖縄県民の示した民意に反して、政府は普天間飛行場の移設先として辺野古に巨大基地建設を強行し続けており、美しい海を破壊し、沖縄の人々に一層の苦難を加えています。国連で採択された核兵器禁止条約の締約国会議に、唯一の被爆国である日本はオブザーバー参加すらしていません。「自国が自衛という名において軍事拡大することは、他国の市民の平和的生存権を脅かし、他国の人たちの心に恐怖を与え、分かり合おうとする心を閉ざすこと」(「憲法9条にノーベル平和賞を」ニュースレター最終号)という声に私たちは同意します。そのような中、昨年、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したことは私たちの喜びであると同時に、世界の希望です。

近年、多様性への挑戦がなされています。「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」や「LGBT理解増進法」など多様性を尊重する法整備が進められていますが、他方、自国や特定集団の利益を最優先するという政治的主張が声高に語られ、多様性を否定し、対立と分断を深める動きが日本にも世界にも起こっています。私たち自身の教会においても、考え方の異なるものを排除する動きが力を増しています。

このような世界と日本の状況の中で、私たちはカンバーランド長老教会信仰告白に立脚し、私たちのなすべきことを次のように表明します。

キリストは、貧しい人、虐げられている人、病む人、困窮している人を探し求められます。

だから私たちは、暴力や法律や社会によって尊厳を奪われている人々を擁護し、善をもって悪に打ち勝つキリストの道を具現する態度と行動を支えます。
(信仰告白6.31)

神は和解の使信と務めを教会に託されました。

だから私たちは、すべての人々・階層・人種・国々の間に、和解と愛と正義が広がっていくことを求めます。
(信仰告白6.32)

神は、戦争や暴動、奴隷制、抑圧、自然破壊、搾取を忌み嫌われます。

それらの悪を自ら選び取ってしまうことは、裁きの経験に他なりません。
(信仰告白7.06)

私たちは祈りながら、前へと進みます。

主よ、私たちは死に至る道ではなく、命に至る道を歩みたいのです。
どうか、平和を造りだす神の子としての幸いを、私たちに与えてください。

アーメン。

戦後80年にあたって――平和を造る奉仕への献身(PDFでダウンロードできます。)

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